食事やおやつの時間にお茶を飲む人も多いのではないでしょうか。古くから日本人に愛されてきたお茶には殺菌作用がありますが、実はリラックス効果ももたらしてくれます。疲れがたまっている人やストレスを感じている人は、生活にお茶を取り入れてみましょう。今回はお茶が持つリラックス効果について解説します。
お茶がもたらすリラックス効果とは？
ていねいに入れたお茶を飲むと、身も心もほぐれるものです。訪問先で温かいお茶をいただくこともあるでしょう。仕事中や食事、おやつの時間などに飲むお茶は、日本人とは切っても切れない関係にあります。
殺菌効果が高い飲み物とされるお茶には、実は疲労回復効果やリラックス効果も期待できます。日常生活でストレスや疲れを感じている人は、お茶を飲んで穏やかな気持ちを取り戻しましょう。
お茶が持つ成分はさまざまな効果を持っています。お茶の成分はカフェインやカテキン、テアニンなどです。ビタミンCやポリフェノールも含まれるため、健康や美容にも役立つでしょう。
お茶の持つリラックス効果は、お茶の成分の中でもカフェインやテアニンによるものです。コーヒーや紅茶にも含まれるカフェインは、お茶の苦みを引き立ててくれます。適度のカフェインを摂ることで、神経を刺激して疲労回復ができます。カフェインは身体の機能を活性化させ、ぼんやりした意識をはっきりさせてくれます。
利尿作用もあるため、二日酔いのときにも効果的です。ここ一番の踏ん張りどきや、集中したいとき、眠気を覚ましたいときには濃いお茶を飲むようにしましょう。
お茶に含まれるカフェインはどのくらい？
お茶に含まれるカフェインの量が気になる人もいるでしょう。お茶に含まれるカフェインの量は、100グラムあたり約20ミリグラムです。同じ量のコーヒーと比べると1/3程度なので、1日数杯であればまったく問題がありません。
そしてテアニンはお茶のうまみや甘みを引き出してくれる成分です。アミノ酸であるテアニンは高いリラックス効果を与えてくれます。お茶に含まれるアミノ酸の半分以上を占めるテアニンは、緑茶以外にはほとんど含まれていません。
近年の研究では、テアニンが脳の神経によい影響を与えると報告もされています。人の神経には交感神経と副交感神経がありますが、バランスが崩れると過度に興奮したりストレスを感じたりしてしまうものです。
テアニンを摂取するとその後1時間近く副交感神経が活性化されます。副交感神経が優位になれば、筋肉の緊張がゆるみ血行もよくなるでしょう。興奮した意識や感情も穏やかになります。
また、テアニンは脳にα波ももたらしてくれます。α波とは人をリラックス状態にさせてくれる波長です。テアニンはカフェインによる興奮も穏やかにしてくれます。カフェインの摂りすぎが気になる人にもお茶を飲むのがおすすめです。
お茶の成分とリラックス効果の関係性
リラックス効果をもたらしてくれるテアニンは、摘み始めの若いお茶の葉に多く含まれています。テアニンは日光に当たると分解されてしまうのです。お茶にもさまざまな種類がありますが、テアニンが多く含まれているのは玉露や抹茶だと覚えておきましょう。
日本茶の中で最高級だとされる玉露は、値段は高いですが上品な甘みと深い味わいが楽しめます。玉露は新芽が出てすぐに葉の上におおいを被せ、1か月近く太陽の光を遮断して作られます。葉に当たる日光を最小限にすることで、渋みが抑えられた甘くまろやかなお茶ができあがります。高品質の玉露はお茶の透明感も強いです。
また、近年注目を集めている抹茶は、茶道として古くから愛されてきました。抹茶も玉露と同じように、できるだけ日光を当てずに育てられた新芽を使用して作られます。新芽を蒸し、揉まずに乾燥させた葉を石臼で挽くと緑茶の完成です。心地よい苦みとともにお茶の持つ栄養成分がしっかり摂取できるのも魅力的なポイントでしょう。
リラックス効果を引き出すお茶の飲み方
せっかくお茶を飲むのであれば、リラックス効果が引き出されたお茶を飲むようにしましょう。お茶の淹れ方によってテアニンをより感じられます。テアニンのうまみや甘みを感じるには、低温でじっくりお茶の成分を抽出するのがポイントです。
テアニンを引き出すお茶の淹れ方を紹介します。まず、急須にお茶の葉を入れ氷水を加えてください。そのまま10分ほど置いてお茶の成分を十分に抽出させましょう。氷水でお茶を淹れることで、渋みを感じるカテキンが少なくなり甘みやうまみが感じられるようになります。また、氷水で淹れたお茶は熱湯で淹れたお茶よりカフェインの量が少なくなるので、眠る前でも心置きなく楽しめます。
夏場であれば水出し緑茶を作るのもおすすめです。水の入ったポットにお茶の葉を入れ、冷蔵庫で3〜6時間ほど冷やしてください。夜に作っておけば、翌朝には美味しいお茶ができあがります。苦みや渋みが抑えられるので、小さな子どもでも美味しく飲めるでしょう。
まとめ
日本人の生活に欠かせないお茶は、健康によいだけでなくリラックス効果も与えてくれます。お茶の持つリラックス効果はテアニンという成分によるものです。テアニンが多く含まれた玉露や抹茶を飲めば、より深いリラックス効果が感じられるでしょう。
リラックス効果をより高めるためには、低温でお茶を淹れるのがおすすめです。氷水を使ってお茶を淹れたり、水出し緑茶を作ったりしてください。低温で入れたお茶はカフェインの含有量も少なく、渋みや苦みも抑えられます。豊かな自然から作られたお茶の葉で、心身ともにリフレッシュしましょう。
